ししゃもがいっぱい

乙女ゲーム中心のオタクのブログ

Paradigm Paradox クリア感想 ※ネタバレあり

Paradigm Paradox 限定版

2021年5月27日、オトメイトさんから発売された
Paradigm Paradoxの感想です。

先に上げた初回感想はネタバレなし、こちらはネタバレありの感想になっています。
Twitterでまとめたものの再アップになっています。

何度も言いますが、私はこの作品大好きです

どの作品に対しても思うことですが、惜しい〜!!と思う部分はあれど個人的にな部分がほぼ全て私の不平不満をカバーしてくれたなと思っています。
それだけ好きな作品でした。
本当にこの作品今後も大切にしていきたいです。
制作者様、素敵な作品をありがとうございます。


以下、ネタバレありの感想です。


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ただの突飛ゲー、声優さんコラボありき、ネタゲー、トンチキゲー、キャラゲーではありませんでした!!ちゃんとシナリオ(短いけど)あります!!キャラも魅力的です!!(そしてシステムに関しては99点をあげたい優秀ぶり)

笑えたし、人によってはたくさん泣けるのでは…?
微糖、キャラによっては微(×10)糖作品でしたが、
乙女ゲーム歴10年の私でも、物足りないけどこれはこれでいい微糖だと最終的には納得。
人生ゲーとまではいきませんでしたが、大好きな推し作品になりました。沼です沼。

ただ、高評価良作長編乙女ゲームが大好き!!!の方にとっては肩透かしくらうかも…?(短いので)
)

私は限られた情報の中から色々妄想したり解釈したりするのが好きな人に特におすすめしたいです。
必要な情報は記されてますが、予算の関係なのかこの作品の売りなのか尺はかなり短いです。
なので、全て1文字一句丁寧に、説明された作品が好きな人にはさっぱりし過ぎてて刺さらないかもしれません。
ですが、〇〇ルートのこの行動はもしかして…、〇〇ルートのあの意味深言動はあの時の…?など解釈するのが大好きな人には考えれば考えるほど刺さる作品だと思います!

特筆したいのは大団円。
基本的に大団円は「個別ルートでやったことはなんだったのか?」と個別でやり遂げたことを無にするような展開だと思ってるので(私的に)その虚無感に襲われがちなのですがパラツーは好きでした!むしろ大団円は本当の意味で皆んなが呪縛から解放されると思いました。好きです。
大団円10000回くらい見たことのあるした展開ではありましたし、捻りはなく短かく、ご都合でしたが心に沁みた。
最後のEDロールの入り方も好きです。
おまけを見てさらに彼らの幸せを噛み締めましたし、わちゃわちゃSSもよかった。
あとキャラによって贔屓も感じられなかった(恋愛描写に差があることをキャラ贔屓だと思う方は贔屓に感じられるかも…?)

この作品だけに言えることではないですが、発売前に設定、誤植、宣言の少なさ、プレイムービーなどで不安を感じるところがいくつかありました。
ですが、雑誌などを読んでいく中で制作者が人数稼ぎとしてキャラクターを8人にしたのではなく、1人1人が個として存在させ、どのキャラクターも欠けさせたくない。そな想いが伝わってくるような…。キャラクター愛のある作品だと思いました。
個人的なお話ですが、少ない情報の中で制作者の想いが発売前からこんなにも伝わってきたのは数年ぶりでした。

何回も言いますが、乙女ゲームで一部のキャラが変身(女体化)する突飛な世界観にしては、綺麗にまとまっていました。
パラツー以外にも大好きな突飛ゲームありますが、突飛ゲーの中で一番乙女ゲーマーに勧めづらい特殊設定(女体化)なのにもかかわらず、突飛ゲーで一番勧めやすいストーリー、キャラクターだと思いました。それくらいまとまってますし、みんな本当にいい子です(大声)
ただ本当に目を疑うくらい短い、短いが故に駆け足、BADあっさり、恋愛描写が少ない、スチル少ない……などなど気になるところは山ほどありましたが(この作品に限らずの話ですが)、
それが気にならなくなるくらい良い部分がカバーしてくれました。
これまでの経験上、発売前に期待し過ぎて妄想爆発して、「思ってたことなんか違う…」となることが多かったので、期待以上の作品に出会えたことに本当に嬉しいし、感謝しかないです。
衝撃的な短さでしたが、進めれば進めるほど多くを語りすぎない。攻略人数が多いから短くて進めやすい。などとこの短さに納得いけるようになってきました。
全体的に綺麗にまとまっているので、”サクッと見て終わり”の方にはもちろん、1つ1つの行動や言動の裏を見て、彼の生い立ちや想いと照らし合わせて考察したい、汲み取りたい派の人も楽しめると思います。
サクッとも楽しめるし、Aのルートを終えてからBルートに出てくるAの叫びを見ると、より深く胸に刺さるような…スルメゲームだと感じました。

既にプレイ中の方はお気づきかもしれませんが、一部のキャラは”恋愛”ではなく”人の愛に触れる、相互理解”がテーマだと感じました。
なので、人によっては”恋愛”をしていないと感じるルートもあるでしょう(微糖を愛するものなら愛を感じられるはず)

この作品、正義側が全て正しいわけでなく、
悪側にも悪の正義があるというコンセプトのように
愛は恋愛だけでない。愛にも、親愛、慈愛、友愛…様々な愛がある、と強いメッセージ性を感じました。
この作品全体から伝わってくるのが、男や女、正義や悪など枠組みにとらわれず、何が正しいのか、正しくないのか決めつけず、多様な見方をするべきだというのがテーマであり、制作者がこの作品を通してユーザーに伝えたいところはそこではないだろうか、と印象を受けました。

乙女ゲームではないのかもしれない。万人受けしないのかもしれない。
それでも私は面白かったし、恋愛だけが愛ではない。
直接的に触れ合うことが甘さ(乙女ゲームでいう糖度)ではないのだと納得できる展開、キャラクター作りだったのでこの恋愛描写や糖度の少なさに心地よさすら感じ始めていました。
ノルマ恋愛、ノルマイチャに飽き飽きしてきた方に良いのでは…
両片思いやマイナス状態から始まる恋愛関係、絆から恋に変わる瞬間が好き、チヤホヤハーレム恋愛が好きじゃないという方にも合ってるかも。
それでも、このキャラクターの想いや愛に気がつけなかった、納得できなかった人はぜひ「アクティビティーレポートのSS(おまけ)」を読んでいただきたいです(あとステラワースの小冊子…)