ししゃもがいっぱい

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薄桜鬼 真改 風華伝 坂本龍馬 感想

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坂本龍馬(CV:小野大輔)

 

薄桜鬼 真改の新キャラです。

 

続きはネタバレあり


新キャラの中では見た目が一番好みでした。
特に華の章のメインビジュの横顔!
ひええーずるい男の香りがする!(大当たり)
不知火に呆れられるくらい道端でイチャイチャするので、「公衆の場でイチャイチャはやめようね」と突っ込みながら進めましたww

坂本ルートは千鶴が新選組から離れ、坂本についていくことを選ぶんですよね。
主人公がずっといた場所から、付き合ってもいない男の為に離れるのがあまり得意ではないので…ちょっと…受け入れがたかったですね…
いや…わかるよ…
風間のように「鬼の子を産ませるために千鶴を奪い来た」という明確な理由があるわけでもないので…
千鶴が新選組から離れる理由付けをするのは難しい存在なんですよね…うん…
とぼやきながらも、気が付いたら千鶴と一緒に坂本龍馬に放浪されているんですよね(単純)

坂本ルートは別の視点から新選組や薄桜鬼の世界を見ることができて楽しかったです。
坂本の出現によって、新選組を重んじているキャラ(攻略キャラだと土方さんとか)の欠点が目立ってしまいそうなので、
結構攻めた人を攻略キャラにしたなと個人的に思いました。

坂本は、素直で一生懸命、寺田屋で命かけて助けてくれた千鶴に惹かれて、いつしか恋愛感情を抱くようになったんですよね。
千鶴も千鶴で、新選組の屯所では女扱いされていなかったので…
女として可愛がってくれる、甘えさせてくれる坂本に惹かれたのだと(という解釈で進む)
そして、千鶴は坂本と新選組の伝令役のような形で役に立つんですよね。
千鶴は新選組の隊士ではないので、戦いに関われない自分を悔いていたと思います。
なので、坂本ルートでは坂本といることで千鶴が自分にしかできない、存在意義のようものを感じているのかなと思いました。

色んな乙女ゲームをやってきて、「俺を信じろ」という男を信じてはいけないと学んだのですが、
坂本に整った顔と土佐弁(CV小野)で

「大丈夫やき。何があっても、
おまんのことは守る。……俺を信じや」

なんて言われたら信じますよね!?
嘘くさいのに、なぜだろう…信じてしまうよ…この男を……
土佐弁キャラ…いいですねえ。

そんな、坂本龍馬ですが、近江屋事件で南雲薫の手により、羅刹となってしまいます。
他のルートと違うのは、坂本は自らの意思で変若水を飲むわけではないんですよね(もちろん覚悟はあったと思いますが…)
そして、彼は新選組ではないので、そもそも変若水の実験に全く関与していない人物です。新選組の隊の人たちは、たとえ変若水を拒絶していても、
新選組が変若水の関係がある以上、いつかは自分も羅刹になるかもしれない…という意識はあると思うので。
なので、千鶴にとって坂本は全く関係ないのに、父(綱道)のせいで被害にあった人…という罪悪感がのしかかっていたと思います。

坂本で特筆すべきところは、千鶴の罪悪感を取り除いてくれるとところです。
この人は、ずるい大人ですが、好いた女を突き放したりしないのです。守るから一緒にいようという包容力がある男です。
薫の「おまえを守る為、身代わりとして南雲家に行ったんだ」
「俺だって、おまえみたいに江戸で平和に暮らしてたかもしれないんだ」
という言葉に千鶴は胸を痛めます。
その言葉に対し、坂本は

「こいつの身代わりになったやと?
こいつ自身が、おまんにそう頼んだとでもいうがか?」

「そんながは、自分が決めたことを
自分自身で引き受ける覚悟がなかっただけじゃいか」

なにこの人。好き(単純)
その後も薫のことを思い悩む千鶴に

「……あいつが勝手にやったことやに、
相手に罪の意識を持たせようとする。
屑以外の何者でもないやいか」

「私は……、何も知らずに生きてきた罪を背負う必要はないんでしょうか」

「ないき、何があっても」

はっきりと、自信に満ちた声で答えてくれるんです。
その後、千鶴を自分のお腹の上に乗せてキスするシーン糖度20000%でしたね。なんだこの色気。なんだこの包容力。

「何ちゃあ考えれんように
しちょるき……、俺のことだけ見ちょけ」

わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((((初夜))))))))
甘いって。なんだこの色気。

千鶴に何て人を、好きなってしまったんだろうと思わせるくらいの奔放さですが、
千鶴を側におき、守り、悩みを溶かしてくれる姿が本当に素敵です。
坂本はどれだけ周りに何を言われても、心配されても、
己の意思を見失わず、生きてきたのです。
それは…広い世界を見てきた坂本だからこそできることかもしれません。
坂本が千鶴の罪悪感を取り除いてくれると同時に、千鶴も坂本に影響を与えるんですよね。
序盤で坂本は羅刹の存在、幕府の言いなりのような形になり、武士の在り方にこだわり続ける新選組を否定します。
そんな坂本に「……何かを守る為に命を懸けるのは、馬鹿げているというんですか?」と反発する千鶴。
そして、千鶴と共に過ごし、自分と違う意見を持つ者に反発しない姿を見て、
最終的には新選組を頭越しに否定するのではなく、「おまんらのあの考えがまったく理解できんわけやないさ」と土方さんに伝えるんです。
時代を変えるような、大きな影響を与えるわけではない。それでも、2人が一緒いることで、考え方の癖が僅かでも変わるのがいいですね…好きです…

坂本は新しい物好きで、物事の切り替えが上手い。
剣ではなく銃で戦い、いち早く和装から洋装に変わる…
そんな彼が、土佐弁だけはずっと変えなかった。密偵のときは標準語で話しているので、標準語も問題なく話せるのに…
土佐への想いが誰よりも強かったんですよね。

良いか悪いかは別として、彼は武士の在り方にこだわる人ではないので、柔軟に振舞い、起こってしまった事をいつまでも後悔し続ける人ではなかったし、
何かを切り捨てる、利用する、というのがかっこ悪くても気にしない人でしたね。
1人の人間ができることは限られている、と悟っていたのも彼の特徴で、彼の視点から新選組の生き様やこの時代の流れを見守ることが出来てすごく楽しかったです。
彼が達観していた、精神的に成熟していたのは年齢を重ねているせいもありますが、
不知火との思い出話で何度も出てくる”高杉”の存在があってこそだと感じました。
高杉が非常に気になるところでしたが…
これは裏語薄桜鬼をやれ、ということなのか…?

坂本ルートのラスボスは土佐藩をはじめとする新羅刹隊でした。新羅刹隊撲滅のために、新選組に協力を求めるのが坂本らしくていいな~と
そして、そんな坂本の姿に「羅刹や変若水をこの世から消し去ることが、我々が果たすべき使命だと考えますが」という山南さんや
「任せてくれよ!この藤堂平助、最後の役目はきちんと果たしてみせるからな!」という平助の姿に血涙が絞られました。幸せになってくれ…

クライマックスは相変わらずスピーディだなと思いつつ(小声)、ルート全体は面白かったです。
確か史実では、同じ時代に生きてはいるけど、土方歳三坂本龍馬は出会ったことのない人たちですよね?
それが薄桜鬼という舞台で、知り合い、お互いの意見や考え方は相違しているものの、
千鶴の存在によって互いの在り方を認める描写があったのがよかった~!