ししゃもがいっぱい

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薄桜鬼 真改 風華伝 山南敬助 感想

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山南敬助(CV:飛田辰男)

 

(Twitterで載せたものを再掲してます)

 

続きはネタバレ感想

 顔がいい(大声)
か お が す き で す
け い ご も す き で す


真改のキャラの中で一番顔が好きです。
無印時代では、あまり好きなキャラではなかった…(トリッキーすぎて)でも、10年たって自分の好みも変わり、
敬語、物腰柔らか、眼鏡、顔、顔、顔と自分の好みを煮込んだような山南さんを攻略するのが楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。

なんですか!あの首を傾げた山南さんのスチル!!なにあのあざとい30歳…好き…結婚してくれ…(千鶴と)
まずサブキャラから攻略キャラに昇格ってすごくないですか!?
しかもそれがFDでも続編でもなく、既に出来上がった本編に加えられるんですよ?
手を負傷して刀を振るえなくなって、イライラを周りにぶつける山南さん!あの共通ストーリーを終えてからの個別ストーリーですよ!?
ほんとにすごい…
元サブキャラだったからか、本当に攻略していいのか…?という背徳感と山南さんと恋愛ができる喜びを、これでもかというくらい味わいました。
楽しかった。
山南さんが恋愛おバカになってキャラ崩壊しないかな…(それはそれで見たい)と不安に思っていましたが、
納得できる恋愛過程だったので満足です。
あと山南さんルートは疑心暗鬼ストーリーなので、こいつ信じていいんか…?というドキドキ感を楽しめるのと、
全てを知ってからもう一度見返すと「こんなに新選組のこと思ってたのか!」と彼の熱い想いがとめどなく伝わってくるので二周することをおすすめします(ニッコリ)

昔は山南さんの気持ちをあまり汲み取ることでできなかったのですが、今では痛いほどわかります。
新選組のために尽くしてきたのに、左腕を損傷してしまう。
武士として使いものにならなくなったのに、新選組から追い出されることはありません。
その周りの優しさが、余計に山南さんを苦しめたのでしょうね……
そして、参謀の伊東さんが加入することで、山南さんは余計に追い詰められてしまいます。
山南さんは結局自らの意思で変若水に手を出すのですが、それが左腕を損傷してから1年。1年ですよ?
彼なりに、人ならざるものになってまで、新選組にいるべきか、葛藤していたのだろうなと思うと胸が締め付けられます。

他のキャラと違うのは、生死的な意味で、羅刹の道を選んだ訳ではなく、
武士として、新選組隊士として生きるために羅刹の道を選んだところです。
そんな彼が羅刹に酔狂しているんじゃないか、狂い散るんじゃないかと心配し、
羅刹に対してのイメージが余計に悪くなっていく千鶴の姿にも納得できます。
そんな、千鶴が山南さんを知っていくことで、

「でも、まだ生きたいって……
やりたいことがあるって言う人には……」
「あの薬は……変若水は……最後の希望なのかもしれないって……」

と感じ、山南さんを見守り続けようと決意するシーンには心を打たれました。

疑心暗鬼系のルートはヒロインが攻略キャラを信じたり、想いを寄せたりするのに上手く感情移入できないことがありますが、
新選組に何年もいた千鶴だからこそ、山南さんを心配することができたんですよね。
山南さんの行動に不安を抱きながらも、新選組の優しい山南さんを思い返して、「信じ続ける」千鶴が良かった!

「今の新選組となるまで私たちは仲間を殺し、
血で血を洗うような地獄を見てきたのです」

「綱道さんは……新選組をそんな状況に
作っておきながら、忽然と姿を消しました」

「……あまりにも無責任だと思いませんか?」

山南さんの行動の理由はこの言葉に全て込められているような気がします。
幕府の命で新選組は変若水の実験台のようなものになり、これまでに何度も何度も血に狂った仲間を殺してきたんですよね。
仲間を斬る度に、新選組総長として自分に何ができるのか、ずっとずっと考えてきたのだと思います。
その責任を感じたからなのか、山南さんは1人で羅刹の研究を続けるんですよね。
傍から見ると、羅刹に酔狂しているやばい奴なのですが……
本当は、羅刹になってしまった仲間が少しでも人に戻れるように、心の底から願っていた……
なのに、周りからは血に狂ったのでは…?辻斬りの犯人は山南さんでは…?と心配され、羅刹隊は出動させてもらえない。
切ない。本当に切ない。

直接山南さんに言わないだけで土方さんも山南さんのこと、心配しているんですよ。邪魔者扱いしたいわけでもない。
山南さんのことを信じたいけど、状況も状況ですし、信じきれない。そんな感じですかね。
皆から疑いの念を向けられ、新羅刹隊なるものの登場により、羅刹としての存在意義もわからなくなってしまった山南さん…
そんな彼を真正面から信じたいと言い続けてくれる千鶴。
正直に言うと、千鶴の信じたいという言葉は空虚なものなんですよね。
千鶴とて山南さんの行動を全て受け入れているわけではないし、疑わしいと思うことも。
それでも、新選組で人であった頃の優しい山南さんを信じたい、という強い気持ちが山南さんに伝わるんですね。
彼がその言葉にどれだけ救われたか…と考えると非常に感慨深いです。

その後、羅刹の研究のため、新選組から脱走を試みる山南さん。
最後、眠っている千鶴に別れを告げに来るシーンが切なくて好きです。

「生者は死者に恋をしてはいけない。
……それが世の理です」

「本当はこの後もずっと、
この身が灰になるまで、
君を隣で守り続けたかった」

「ですが……私にはやるべきことがある。
新選組にいては果たせない願いが」

「だからーーさようなら」

ず る い 人 だ!!!!!!!!!!!!
なんだこの額に優しくキスするシーン!!好き!!!プレイヤーを殺す気か!!!!

自分は死者であり、羅刹隊の未来を担う者。
そんな自分が好いた女と一生を供にすることはできないし、そんな時間もない。
それでも……。ずっと信じたいという言葉をかけてくれた千鶴に感謝と想いを告げたかったんでしょうね。
真正面から伝えず、寝ている千鶴に伝えるのがずるいけれど…
千鶴のことを好きだからこそ、死者ではない、生者と恋をして、普通の人生送ってほしいと思っていたのでしょう。
好きだからこそ突き放す。
自分の使命を全うする事を選んだ山南さんは紛れもなく新選組総長の姿でした。

脱走した山南さんを心配し、千鶴は1人で行方を追うことに。
やっと会えた山南さんは綱道と共におり、羅刹の研究を進めていました。
そして千鶴はここでやっと、知ります。山南さんが羅刹隊のことを想って羅刹の研究を続けていたことを。
疑念を抱きながらも、新選組の”優しい山南さん”を想い続けていた千鶴。
それは間違いではなかったのです。山南さんはどこまでも、どこまでも、優しい山南さんでした。
自分の使命を果たすためにも、千鶴と離れた山南さんでしたが、
これからは2人で一緒に乗り越える事を決意。

※余談ですが、想いが通じ合った後の吸血衝動シーンで選択肢[我慢させる]を選ぶと、
「羅刹でありながらあなたに心を奪われてしまった私への罰だ」ともがき苦しむ山南さんの姿が見れます。
謎の性癖が開発されそうになりました。

クライマックスでは、山南さんの「計画通り」が炸裂しますww
綱道の駒の振りをしていたのも、千姫を捕らえたのも、平助を斬り殺した(振り)をしたのも全て計画通りで、舞い上がった綱道を裏切ります。

「せっかくの機会です。
君と同じように、裏切られる気持ちを
味わってもらおうと思いまして」

(目が笑っていない……。)

このシーンが面白くてwww
やっぱり、山南さんは何枚も上手だったようですww
そして、土方さんや平助、羅刹隊が本当は山南さんのことを想ってくれていた、というのが伝わって良かった。
責任を感じ、最後まで仲間のために生き続けた山南さんかっこよかったですー!!!

私的にはハッピーエンドもすごく良かったのですが、
心を抉られたのは山南さんが綱道を倒した後、死んでしまう悲恋エンドでした。

「君にはまだ未来がある。
この先も生きていかなければなりません」

死ぬ間際に彼は苦し気に呟きます。
それでも千鶴は最期くらい本当のことを言ってほしいと泣きながら訴えるのですが、

「……私のことは、忘れなさい」

そう言って、灰となって消えていくのです。
灰を搔き集め、胸に抱く千鶴の姿を涙なしでは見ることが出来ませんでした。

私はひねくれ者なので、最初は千鶴が自分のことを忘れられないことをわかっているからこそ、
より千鶴の心に残るように、千鶴の心に傷痕を残すように…
「忘れなさい」と言ったのか……と思いましたが…
千鶴には生者と普通の幸せを嚙みしめてほしくて、自分のことは忘れろ、と言ったのかもしれませんね…
どちらの意味でもとれますよね。

山南さんルートは糖度は低めなのに、あざといスチルが多くて終始惚けてましたww
千鶴の口に指を当てるシーン、「唇を塞がれる覚悟はあるか」とキスするシーンも好きです!!!!